会社分割を利⽤し、事業継続と連帯保証解除を実現︕
印刷会社の事例です。
対象会社(A社)は創業社長が長年事業を行ってきましたが、外部環境の変化に追いつくことができずにいました。
ご子息は2人いましたが後継者ではなく、事業を引っ張る人材を育成することもなく赤字が続き、運転資金が枯渇したために自力での事業継続が困難となりました。
通常であれば破産等で会社を潰す必要に迫られましたが、従業員、取引先を少しでも守りたいとのことから我々と共にスポンサーへの譲渡を行うことにしました。
黒字で資産超過であればスポンサーは現れるのですが、赤字の場合、事業をそのまま引き継いでも赤字資金が垂れ流しになるため、なかなかスポンサーは現れません。
また、資産5億円に対して負債が8億円の債務超過となっていて、資産をすべて処分しても3億円は返済できません。
そこで、我々と一緒に赤字部分を切り離して、実態は利益が出る体制に整備しました。
幸い、A社は外注費を多く使っていたのですが、その外注部分をスポンサーが引き受けることができました。また、原料の仕入価格もスポンサーは低く仕入を行っていたので、よく中身を検証すると、スポンサー企業が経営することで黒字に転換できることが明らかになりました。
次に債務超過ですが、スポンサーは債務超過部分まで引受ける状況ではありませんでしたので、Good部分のみの資産及び見合いの負債を肩代わりすることでご理解頂きました。
次にBad部分ですが、Goodを切り離した後に清算を行いました。
代表者は金融機関借入の連帯保証人になっていましたので、保証人ガイドライン手続により、債務保証の解除を行いました。
本件は、本来であれば破産等により会社全体を潰すしかなかったところを、スポンサーに従業員、取引先をできる限り引き継ぐことができました。